不動産投資で新築マンションはおすすめ?その①【元新築デべ営業のFP大家が解説】
ある日仕事をしている最中に知らない電話から「新築ワンルームマンションの提案」を受けたことはありませんか。
将来生命保険になりますので、節税になりますので、家賃保証で安心です、耳障りの良い言葉で勧誘してくる営業マン。
本当に信用していいものでしょうか。
今回は元新築デべ営業のFP大家が、不動産投資で新築マンションはおすすめかどうか、というテーマで記事をお届けします。
自己紹介
簡単に私の自己紹介をします。
新卒入社時に大手デベロッパーに入社し、そこで新卒歴代過去最多記録を樹立しました。
その後全国の経営者の経営課題を解決すべくマザーズ上場の経営コンサルティング会社に従事しました。
現在は経営コンサルティング会社での経験を元に、経営コンサル資産運用コンサル、FPとして全国のエンドユーザー、経営者の方々のために尽力しています。
大家として自身でも一棟物件・区分マンション合わせて6戸不動産を保有しています。
本コラムでは新築デべでの営業経験を元に語られない裏話を話していきます。
新築マンションは買っていいかどうか
ワンルームマンション投資をするときには色々検討することがあります。
立地はどこにしようか、大きさはどうしようか、どこの不動産会社から買おうかなどありますが、新築マンションがいいのか中古マンションがいいのかも悩みますよね。
そもそも新築の定義ですが、築年数一年未満かつ、一度も入居者がまだ入居していない物件のことを言います。
これは入居者目線になりますが、一般的にはこの通りです。
逆にいうと一度でも入居があれば、その時点で不動産は中古になります。
これは車でも、服でも同じ原理です。
不動産投資の新築と中古ではメリット、デメリットが顕著に出ます。
そのため、新築で不動産投資をしていいかどうかは、ご自身の目的やライフスタイルにあった物件で行いましょう。
不動産投資における新築のメリット
不動産投資において新築ですることのメリットは大きく4点あります。
- 修繕コスト・管理費の経費コストが安い
- 家賃が高く取れる
- 減価償却の期間を長く取れる
- ローンを借りやすい
新築マンション投資ならではのメリットになります。
具体的に見ていきます。
修繕コスト・管理費の経費コストが安い
新築時の修繕費用の積み立て、あるいは実際の修理費用は中古に比べ非常に安く済みます。
中古と違って、建物自体が新品のためすぐに修繕の必要がありません。
そのためランニングコストが出ずらく、月々かかる費用が安く抑えられます。
家賃が高く取れる
新築は中古に比べて家賃を高く設定できます。
新築プレミアムともいわれますが、日本には新築好きの入居者が多いため新築に一定数のニーズがあります。
そのため、家賃は通常の相場家賃よりも高く取れる傾向にあります。
減価償却の期間を長く取れる
不動産では確定申告を行うと減価償却を経費として計上して不動産所得を下げることができます。
これにより不動産所得が赤字になると給与所得と損益通算することができます。
結果的に給与所得を下げ、住民税と所得税を圧縮することができます。
新築のRC造のマンションであれば減価償却の耐用年数は47年、新築の木造であれば22年です。
中古は上記の耐用年数が短くなるため、節税のメリットを得られる期間が短くなります。
ローンを借りやすい
不動産投資を行う際には、現金で買うのではなく基本的には銀行から不動産投資ローンを借りることになります。
ワンルームマンションの新築、中古によって不動産投資ローンの借りやすさが大きく異なります。
新築と中古であれば、新築ワンルームマンションの方が不動産投資ローンを借りやすいです。
理由は、不動産会社が新築を建てる際に提携金融機関との交渉において物件当たりいくらまでのローンを購入者に貸せるかを決めているからです。
新築時にローンを貸せる銀行がない場合は、不動産会社もワンルームマンションを販売することができません。
不動産投資における新築のデメリット
不動産投資において新築ですることのデメリットは大きく4点あります。
- 資産価値が低下する
- 家賃が下落する
- 修繕費や管理費が急上昇する
- 購入時のコストが実は高くつく
具体的に見ていきます。
資産価値が低下する
物件の価格は新築から年数が経つことで経年劣化を起こすので価格は落ちていきます。
そのため新築時ピークであった建物代金は年々価値を失っていきます。
売却したいと思ってもよほど購入した物件の立地が良くないと思ったような価格で売却することは難しくなります。
家賃が下落する
物件が経年劣化するということは、家賃の設定にも影響します。
日本では中古物件よりも新築物件に住みたい方のほうが多いため、築年数が経つにつれてニーズが少なくなる中古物件のほうが新築物件よりも家賃が落ちていきます。
そのため新築時に所有した物件の収益性は家賃の下落に合わせて下がります。
ローンを利用して不動産を所有する際20年、30年を見据えた長期プランを立てるケースが多いのでこの家賃下落にについては注意しましょう。
なお駅からの距離などによって様々ですが、都内の物件であっても20年で家賃は約15~25%は落ちます。
そのため、新築物件を購入する際は家賃収入に対して2割の余裕があって、収支のバランス見合うかどうか検討すべきでしょう。
修繕費や管理費が急上昇する
購入時は新築のメリットとしてあった修繕費や管理費も築年数を経つとともに上がっていきます。
もちろん物件の外観や作りによっても差がありますが、おおよそ10~20年で修繕費や管理費等のコストが急激に上がります。
当初のが甘く、運用してみると想定以上にかかるケースもあるため月々のキャッシュフローの中から余分に積み立てて対策を取る必要があります。
購入時のコストが実は高くつく
元新築デべ営業マンから言わせると、ここが一番のデメリットです。
この点は本当に注意してください!
新築時の購入コストに関しては、不動産会社、対象不動産によって大きく変わりますが、新築物件には中古物件よりも利益を大きく乗せて販売する業者が大半です。
私の不動産会社の友人の会社の例を一つ出します、
物件価格2,600万、家賃7.7万で分譲している新築ワンルームマンションがありました。
こちらを販売直後に買い戻すといくらになるか。
正解は、買取額は1,700万円だそうです。
これは耳を疑ってしまうと思います。
新築物件には不動産会社の利益がたっぷり乗っていることをお忘れにならないように注意してください。
まとめ 新築は不動産投資の成功には向きにくい
今回は、不動産投資で新築マンションはおすすめかどうか、というテーマで記事をお届けしました。
新築マンションにももちろんメリットはありますが、デメリットで最後に上げたように不動産会社の利益が多く乗ることから将来的に売却を見据えたり、2年ごとに来る更新で家賃見直しの可能性、修繕費などのコスト増といったデメリットを踏まえるとおすすめはしにくいです。
購入者のご属性によっては新築の方が節税が効いて購入後数年はメリットが大きいかもしれませんが、中長期的に見て不動産投資になりえるかは疑問が残ります。
今回のコラムのように新築デべ目線から新築マンション購入に関するコラムをお届けしてまいります。
またもし現時点で新築マンションの購入を検討している、すでに直近新築マンションを買って悩んでいるなどありましたらワンルームドクターでのセカンドオピニオンをしてみてはいかがでしょうか。
ご相談はもちろん無料で承ります。
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