内装工事についての4つの勘定科目とは?減価償却と耐用年数についても解説!
内装工事の勘定科目に疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
内装工事の勘定科目を正しく理解することで、節税につながります。
また、確定申告の際に正しく納税できることで税務コンプライアンスの向上や経理負担を低減することが可能です。
今回は、内装工事についての4つの勘定科目を紹介します。
減価償却と耐用年数についても解説しますので、これから開業する人や自営業をしている人はぜひ参考になさってください。
内装工事の勘定科目を正しく理解しよう!
内装工事で使う4つの勘定科目
内装工事の勘定科目は固定資産勘定が一般的であり、以下の4つの勘定科目が多い傾向にあります。
- 建物
- 建物付属設備
- 諸経費
- 備品
次の項目からは、内装工事で使う4つの勘定科目について解説します。
内装工事で使う勘定科目:①建物
内装工事は、建物に仕分けすることが一般的です。
ただし、建物に仕分けするのは、新築に限ります。
- 防水工事
- ガラス工事
- 木工工事
- 造作工事
建物に仕分けする際には、建物の付属設備は含まれません。
また、建築途中の建物の場合は、建物ではなく、建設仮勘定で計上する場合もあります。
建物に仕分けするのは、建物の固定設備に限定されると覚えておきましょう。
内装工事で使う勘定科目:②建物付属設備
建物付属設備は、特に気をつけたい項目です。
建物付属設備は備品と混同しやすいため、気をつけましょう。
詳しくは後述しますが、建物付属設備に仕分けする工事内容はおおまかに以下の通りです。
- ガス設備工事
- 冷暖房設備工事
- 給排水又は衛生設備工事
- エレベーター・エスカレーター工事
建物付属設備とは、建物に固定されている設備で機械で自動的に作動するものを指します。
工事することで、再利用できる設備工事ともいえるでしょう。
建物付属設備の仕分けをする際に、建物・備品で迷う場合には建物や備品の定義をおさらいすると迷いにくくなります。
建物付属設備をややこしく感じる人が多いよ!
内装工事で使う勘定科目:③諸経費
諸経費とは、工事に間接的に発生した費用を指します。
具体的な内容は、以下の通りです。
- 工事の立替費用
- 官公庁手続き
- 人件費
諸経費の金額は、他の勘定科目と比較して少額になりやすい傾向にあります。
しかし、内訳が曖昧になりやすいため、詳細が気になる場合には入念に確認しましょう。
内装工事で使う勘定科目:④備品
備品とは、業務上で必要な消耗品で20万円以上のものです。
金額によって勘定科目が変わるため、どのような基準で計上されるのかを確認しておきましょう。
- 業務上で必要な消耗品で20万円以上
- 10万円以上で20万円未満で一括償却資産勘定
- 10万円以下だと消耗品
備品となるのは、20万円以上の事務用デスクやクローゼット、電話などです。
備品はデスクやクローゼットなどの内容ごとに計上する場合もありますが、耐用年数や備品購入として一括で計上する場合もあります。
クロスの張り替えの勘定科目は「修繕費」
クロスの張り替え工事費用は、修繕費です。
減価償却の対象ではないため、当年の経費として計上します。
内装工事で建物付属設備に仕訳できる6つの設備
内装工事で建物付属設備に仕訳できる6つの設備は、以下の通りです。
- 電気設備
- ガス設備
- 冷暖房設備
- パーテーション
- 昇降機設備
- 店用簡易装備
次の項目からは、内装工事で建物付属設備に仕訳できる6つの設備を詳しく解説します。
①電気設備
電気設備は耐用年数によって、以下の2種類に分類されます。
- 蓄電池電源設備
- その他
蓄電池電源設備とは、停電時でも使用できる設備です。
一般的な内装工事だと電気配線工事や照明器具の取り付けにあたるため、多くの場合がその他に分類されます。
②ガス設備
ガス設備とは、コンロやガス栓などです。
飲食店のイメージが強いですが、お湯を使う美容院にもガス設備はあるため、建物付属設備に仕訳できる場合があります。
③冷暖房設備
冷暖房設備は、店舗内または事務所内に設置されたエアコンやクーラーです。
ただし、建物付属設備に計上するには業務用エアコンで正常に動作することが条件となります。
- ビルで一元管理されている冷暖房設備は建物付属設備
- 個別で管理している場合には機器及び備品
どのように管理しているのかで冷暖房設備を仕分けするポイントが異なるため、注意しましょう。
④パーテーション
パーテーションは、建物付属設備または建物に仕分けできます。
建物付属設備かどうかは、再利用ができるかどうかがポイントです。
- 再利用ができる:建物付属設備
- 再利用ができない:建物
建物付属設備は、天井から吊るされているカーテン式のパーテーションやスタンド式のパーテーションです。
建物には、天井・床・壁に固定されているパーテーションが分類されます。
再利用が可能であること、そして建物に一体化しているかどうかで判断しましょう。
⑤昇降機設備
昇降機設備は、エレベーターやエスカレーターです。
飲食店だと、配膳用エレベーターを設置した場合は建物付属設備に仕分けします。
⑥店用簡易装備
店用簡易装備は、装飾や陳列棚、そしてカウンターなどです。
取り替えができるもののみを建物付属設備に仕分けしますが、建物と一体化している場合は例外です。
細やかな取り決めがあるため、注意しましょう。
内装工事の勘定科目を理解すべき理由
内装工事の勘定科目を理解すべき理由は、以下の通りです。
- 経費計上して節税できる
- 確定申告で正しい金額を納税できる
次の項目からは、内装工事の勘定科目を理解すべき理由を詳しく解説します。
経費計上して節税できる
内装工事の勘定科目を理解することで、正確に納税することが可能です。
内装工事の費用を正しく経費にできれば合法的に所得を減らせるため、減税につながります。
- 所得税
- 市民税
所得税や市民税は課税所得なため、正しい経費計上で過剰に税金を納めることを予防できます。
正確に納税できることで、事業に必要な資産を守ることにもつながるでしょう。
確定申告で正しい金額を納税できる
内装工事の勘定科目を正しく理解することで、確定申告で正しい金額を納税できます。
過剰な納税だけでなく、意図的ではない脱税も予防することが可能です。
内装工事の勘定科目を知るべき人
内装工事の勘定科目は、ややこしいと感じる人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ケースによっては損しないために知っておく必要があります。
ここからは、内装工事の勘定科目を知るべき人を紹介したうえで理由も紹介します。
これから開業する人
これから開業する人は、内装工事をする可能性があります。
中古物件を購入する場合だけでなく、借りる場合でも内装工事をする可能性があるためです。
また、建物が新しい場合でも古くなれば内装工事の必要性が生じます。
よって、事業主であれば内装工事の勘定科目に関する正しい知識が必要といえるでしょう。
自営業をしてる人
自営業をしてる人も、内装工事を行う可能性があります。
しかし、内装工事の費用を経費として計上できるのは、事業に関わるもののみです。
正しく仕分けをしなければ、意図的ではない脱税をしてしまう可能性があります。
意図的ではない脱税をしないためにも、内装工事の勘定科目を正しく確認しましょう。
内装工事の勘定科目に関連する減価償却と耐用年数
ここからは、内装工事の勘定科目に関連する減価償却と耐用年数を紹介します。
内装工事の減価償却
内装工事の減価償却は、工事の費用と耐用年数によって異なります。
減価償却とは、固定資産の購入費用を分割して経費として計上する会計処理の方法です。
固定資産といえば土地や購入した建物のみとイメージする人も多いですが、備品や機器も該当する場合があります。
内装工事の費用で500万円支払う場合、毎年の経費は50万円です。
減価償却を行うと所得が減るため、過剰に税金を支払うのを予防できます。
賃貸物件における内装工事の耐用年数は10年〜15年
内装工事の耐用年数は、10年〜15年が一般的です。
国税庁の「No.5406 他人の建物に対する造作の耐用年数」を見ると、賃貸物件の場合には以下の条件を満たすと賃貸期間をそのまま耐用年数にできることが分かります。
- 賃借期間の更新がない
- 賃借期間の定めがある
- 買取請求ができない
国税庁が定めた内装工事における資産の耐用年数
耐用年数と減価償却の意味はご存じでも、ケースごとの目安がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事で国税庁が定めた内装工事における資産の耐用年数を具体的に紹介しております。
内装工事における資産の耐用年数の目安にお役立てください。
内装工事の勘定科目について正しく理解しよう
この記事では、内装工事の勘定科目を解説しました。
内装工事で使う4つの勘定科目は、以下の通りです。
- 建物
- 建物付属設備
- 諸経費
- 備品
建物付属設備に注意しよう!
他の項目と合わせて理解することで、間違えて仕分けすることを予防できます。
内装工事の勘定科目について正しく理解して、事業の運営に役立ててみましょう。
コメント